もちもちパンダ/

介護家族の悲鳴 その9

今回のコラムは、肉親介護の精神的負担について。あくまでも個人的感覚として。 この3連休は、もちろん3歳の息子連れで実家に帰り、両親の様子を見てきた。 冬は、パーキンソン病の父にとって非常に酷な時期だ。特に私の実家は降雪量の多い地域のため、家…

介護家族の悲鳴 その8

「在宅介護」「地域包括ケア」では、医療従事者の話ばかりが出てくる。しかし、現実を見ると、実際の介護者は家族が7割(うち6割は同居)、医療介護従事者のみで本人を支えているのは1割程度に過ぎない(厚生労働省調べ)。しかし、そんな家族がどんな状…

介護家族の悲鳴 その7

「年末年始はゆっくりできましたか」などと書かれた年賀状を見る度に、「できるわけがありません」と呟いてしまう。 子どもが生まれてから、私の年末年始(お盆も含む)は疲労困憊の時期に変わってしまった。20代の頃、箱根駅伝を見ている父親の横で、母親に…

「入院すると介護度が悪化」は市民に通じるか?

「入院不要な46%の患者をどう減らせるか?-佐々木淳・医療法人社団悠翔会理事長」(→こちら)という記事を書いたが、これは重要である一方、実はとんでもなく難しい話だと思っている。 佐々木氏の主張はよく理解できるし、在宅療養中の家族のいる知人友人の…

「白衣を着た薬剤師より、栄養士の方が親しみやすい」~食・薬連携という面白さ

11/15発行号の「薬局発NPOの『測定会』に企業が殺到」を書いたのは筆者だが、この認定NPO法人「健康ラボステーション」について書き切れなかった、どうしても強調したい部分をこちらに書く。このNPOに必須の管理栄養士の活躍、薬剤師との「食・薬」連携だ。 …

介護家族の悲鳴  その6

地域包括ケアに「介護者」という視点なし 介護する家族側がそのような状況であるにも関わらず、、「地域包括ケア」について語られるとき、介護者側の話は全く上がらない。医療者の視点で語られてばかりだ。地域包括ケアとは、地域一律の医療制度ではもうこの…

本庶佑氏、ノーベル生理学・医学賞受賞記者会見全文

10月18日に神戸市内で行われた本庶氏のノーベル生理学・医学賞受賞記者会見。今が旬の本庶氏が何を言ったか知りたいという人もいるのではないかと思い、せっかくなので会見内容の全文を起こした(神戸医療産業都市推進機構理事長としての立場での発言が…

介護家族の悲鳴 その5

介護+育児+配偶者の世話=「多重ケア」 さらに私の場合、夫の世話が加わっている。こういう状態を「ケアの複合化」と相馬准教授は指摘しており、広義のダブルケアとしている。介護といっても様々なケースが複合的にあり、自分の両親だけでなく、配偶者の両…

介護家族の悲鳴 その4

介護と育児の「ダブルケア」 実家からの帰宅後、ようやく3人分の食事を用意し終え、ようやく皆でご飯を食べる・・・。と言いたいところだが、ここでいったん私はリビングに大の字になって体を横たえる。なんとか3人分の料理までは作ったものの、早朝からの農…

WHO、今の課題は高齢化対策

次世代医療の研究開発から産業化までを担う団体や企業が集まる「神戸医療産業都市(https://www.fbri-kobe.org/kbic/)」が19日で20年目を迎え、記念式典を行った。「神戸医療産業都市」と言われても何のことか分からない人も多いと思うが、簡単に言うと、例…

介護家族の悲鳴 その3

うつ病の夫の世話 ようやく家について、荷物を下ろし、息子も家に入って一段落、と言いたいところだがそうはいかない。夕飯を用意しなければいけない。息子もお腹が空くころだ。 私達が帰ってきた音が聞こえたからか、夫が2階からゆっくりと降りてくる。私た…

介護家族の悲鳴 その2

早朝からの農作業、往復8時間の遠隔介護 早朝4時半。既に父は起床して着替え、家の裏にある畑で農作業を始めている。私も父を手伝うため、作業着に着替えて畑に向かう。私は普段より睡眠不足の上に、昨日の疲労が残っていて、体が重たい。 実家には、小学校…

介護家族の悲鳴  その1

①始まった父の尿失禁 週末、3歳の息子を連れて二人で実家に帰った。要介護認定の更新について早く話しておかなければいけない。玄関から自宅に入ってすぐに居間に行き、父に声をかけようと近付いた。 父の1メートルほど手前まで近づいた時、あの独特のツンと…

「介護ロボット」を見た!

「映画『タイタニック』で有名なあのシーンです! 船上でヒロインが手を広げて、後ろからディカプリオが彼女を倒れないように支えている。実際はこれをやっているわけです」。 そう話すのは、兵庫県内にある特別養護老人ホームの職員。別に、レクリエーショ…

多剤併用害悪を実証 ―「まるめ」減薬の老健患者が元気に!

ある老人保健施設(老健…病院で急性期医療の終わった患者が在宅復帰のためにリハビリをする介護保険施設。入居は3か月までという決まりが「一応」ある)の相談員から面白い話を聞いた。老健は介護報酬が“まるめ”なので、運営側としてはなるべく処方薬を減ら…